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M&Aの成否と業者選定上の注意点 

今回は、M&Aの成否が何で決まるのかについて触れることにしましょう。最初に「M&Aの目的」は何か、次に「M&Aを行った後の惨状」、最後に「M&Aアドバイザーと契約する前にチェックすべきこと」の順に簡単ですが触れていきます。

(M&Aの目的)
まず、M&Aブームに乗せられずに、なぜM&Aをするのか原点に返ることが大切ですね。M&Aは事業統合や資本提携なども含めた経営戦略遂行上の重要な手 段です。M&Aの本質は、競争優位を得るために必要な経営資源を迅速かつ効率的に獲得するために、既に他社によって確立された経営資源を取得することで す。M&Aは経営資源を調達する手法の中で、そのスピードと効率性において最大のメリットをもたらします。しかし、いざM&Aを進めてみると、既に他社に よって確立された経営資源を取得する行為自体が目的になりやすく、本来の目的であるM&A後の企業価値向上の実現可能性が置き去りにされがちです。

(M&A後の惨状)
ところが、欧米や日本で、M&Aを行った後に企業価値向上を実現したものは、全体の僅か約三分の一という調査結果が、多くのコンサルティング会社から発表 されています。しかし、M&Aを使った企業価値向上は難しくはありません。M&Aを通じた企業価値向上を行うには、提案・企画段階から分析・精査段階に於 いて押さえなければならない点があり、これらの点をきちんと検証した上で、実施判断を行ったM&Aが企業価値向上に成功しています。押さえるべき点を分 析・精査しないで、単に買うことが目的になるので、結果として、M&A後に企業価値を毀損するのです。

(失敗しないM&A業者選び)
以上のように、M&Aはその三分の二が企業価値を毀損してしまうリスキーなものだということがお判り頂けたと思います。では、巨額の資金を投資するM&A を成功させるために、どの様な専門家へ依頼するべきなのかについて要点をまとめます。M&Aを依頼する側が、アドバイザー契約を結ぶ上で、気をつけるべき 点は以下の通りです。
1) 経験はどうか
M&A担当者が長期(少なくとも10年以上)携わり、M&Aの最前線に一貫して立ち精通しているか。自分の会社と同じ程度かそれ以下の経験年数や実績しかない業者へお金を払って頼む方は少ないでしょうから。
2)業界の知見・人脈はあるか
M&Aといっても業界毎の特徴があります。全ての業種に精通し人脈のあるM&A専門家は存在しません。各会社毎に得意とする領域があります。どの様な会社 の誰と人脈があり、どの様な案件を過去に成約したのを確認することも大切です。M&Aを使って企業価値を向上させるには、M&Aの検討段階から経験豊富な 職業専門家がお手伝いし助言しなければ、実現することは不可能です。
3)お客様本位か手数料本位か
最初からカネ・カネ言う業者は、それだけで推測できますね。M&A検討をお手伝いすることを通じ、M&A後の企業価値向上まで視野に入れたアドバイザリー・サービスの提供が可能かどうかも重要なチェックすべき点でしょう。
4)法令を遵守しているかどうか
今日から証券取引法が金融商品取引法になりましたが、M&Aは「法律のかたまり」と言っても過言ではないと思います。当たり前ですが、M&Aを依頼する側 も業者も十分に関連法規を理解して進めることが重要です。業者の中には首をひねるものも存在しているので、敢て、ここで挙げました。もしも、法律違反をし てしまったら、取り返しがつかない事態になりますから。
5)リスクも説明するかどうか
現実問題として知っておいて頂きたいことですが、単なるM&Aの手続屋や企業ブローカーが日本に沢山存在しています。M&Aにはメリットもありますが、同 時にリスクもあります。M&A検討を進める中で、リスクについてきちんと触れない様な業者も多く存在します。M&Aは良い事ばかりではありません。M&A 後に企業価値が向上しないと判断すれば、見送ることも大切な選択肢です。M&Aで手数料を稼ぐことが唯一の目的である企業ブローカーには迷惑な事かもしれ ませんが、成約経験が多いM&A専門家は、案件を進めていく中で、お客様にメリットとリスクとを同時に説明し、最終判断のお手伝いをさせて頂くものです。

以上、なぜM&Aをするのか、M&Aの現状はどうなっているのか、M&A業者を選ぶ際にどういった点に気をつければよいのかについて簡単ですが説明しました。

次回は、利益相反問題(仲介問題)について触れることにします

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