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 2009年02月 

海外移転と技術流失 

シャープはこの報道に関して「当社から発表したものではない」とするコメントを発表していますね。同社のサイトも見ましたが、リリースは見当たりませんでした。シャープも、外国で組み立てた家電製品を販売していますが、シャープのアクオスが支持を得ている理由のひとつが、“日本製”であることだと思います。“日本製”に対する信頼感・安心感は強いのではないでしょうか?

海外へ生産を移転し、技術やノウハウを盗まれ、競争優位を失った事例もあります。いくら旧型製品を海外で組み立てるとは言え、この問題は避けて通れない問題です。外国にとっては、日本企業が、無から有を生んだ中味(技術や製造方法などのノウハウ)を現地生産を通じて手に入れることが可能になります。自らゼロから考案しなければならない労力が無くなることを考えると、非常に大きなメリットを相手国やその企業にもたらします。また、国内の失業問題も考慮すべき点です。ひとつの工場が閉鎖されることで、数百人から数千人の従業員が職を失います。私企業の問題ではありませんが、政治は、これが地方経済に与える影響も考慮すべきことと思います。日本で組み立てた製品は、海外で組み立てた製品よりも価格が高いのですが、日本製品を買えるのでしたら、地方経済への応援歌という意味も含めて、日本の工場で組み立てられた製品を購入したいと、個人的には思います。話を戻しますと、上記の問題とコストメリットとの比較で、意思決定をするのですが、自社の基幹製品の海外移転には十分な検討が求められると思います。特にキーとなる技術や製造方法を海外に持っていく事は慎重であるべきです。

M&Aの話をしますと、技術狙いで、外国企業が日本企業を買収することがあります。日本で雇用が維持されるのでしたら、歓迎すべきことかもしれませんが、日本企業を買収した途端、技術やノウハウを本国へ移転し、日本の従業員を全員解雇した例もあります。(ある意味、非常に判りやすいのですが)もちろん、買収交渉時には、こういった話はまず出てきません。しかし、多くの知識を持つ事は、売却交渉を行う上で役立ちますので、コラムで積極的に書いています。日本の輸出産業は、円高で大変なご苦労があるので、この報道も苦渋の検討なのかもしれませんが、国内生産の継続は、競争優位や地方の就業率に大きな影響も与えます。日本の製造業に是非、頑張ってもらいたいと思っています。

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