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最近の買収防衛策に関する研究 

買収防衛策導入と言うと、“経営者がその自己保身のために行なうものであり企業価値を損なうものである”と言われて来ましたが、これについて、関西学院大学大学院の岡田准教授が、興味深い論文(「買収防衛策導入企業と日本的コーポレートガバナンス」)を発表されております。

 

買収防衛策の導入効果には、1)経営者の自己保身などを目的にすると考えるもの(経営者エントレンチメント説)と、2)買収防衛策導入は株価上昇に結びつく効果がある(株主利益説)とする2つの対照的な主張があります。

 

この論文は、日本の買収防衛策導入企業556社のサンプルを用い、更に、200779日に東京高等裁判所がスティール・パートナーズを「濫用的買収者」と断定した時点の前後で区切って日本企業による買収防衛策導入を観察しており、東京高等裁判所の判決後のサンプルでは、株価反応がプラスになっていることを明らかにし、“買収防衛策導入が株価上昇に結びつく効果がある”(株主利益説)に整合的な結果を明らかにしています。

 

このことは、東京高等裁判所の判決以降に日本企業が導入した買収防衛策は、“安定した経営を通じて企業価値を高める”効果があることを示し、“買収防衛策は経営者がその自己保身のために行なうものであり、企業価値を損なうもの”という考えが当てはまらないことを明らかにしました。この新しい研究成果により、これまでの買収防衛策導入企業に対する先入観を変える必要が出てきたと思います。

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