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毎日新聞の取材と追加コメント 

先日、毎日新聞の取材を受け、中国企業による日本企業への買収についてコメントをしました。毎日新聞の紙面に出たコメントを読みましたところ、文字数の関係と思いますが、コメントの一部が掲載されていましたので、このブログでフォローしようと思います。

毎日新聞の記事には、“M&A(企業の合併・買収)助言会社「カチタス」の平井宏治社長が「環境としては日本企業を買いやすくなる」と語るように、中国資本による日本企業の買収が加速する可能性がある。日本企業が救済される側面もあるが、技術流出を懸念する見方もある。”とあります。

為替相場から見れば、元の切り上げが起きれば、日本企業を買収しようとする中国企業にとって、日本企業を安く買収することが可能になります。これが、「(元高、円安の)環境としては、日本企業を(安く買えるので)買いやすくなる。」と言う趣旨です。

しかし、同時に中国企業による日本企業への買収には、いくつかのリスクがあることにも触れる必要があります。

これは私見にしか過ぎませんが、投資家がアメリカのゼロ金利政策と連邦準備制度理事会による潤沢な融資を利用し、この資金で中国をはじめとする発展途上国の安い資産や株を買いあさった結果、新興国の資産や株式が高騰し、現在のバブル経済状態を引き起こしている(理由のひとつ)と思います。

このバブル経済で株価等が高騰し、バブルマネーを手にした中国企業が、技術を日本から中国へ移転する目的で、日本の製造業買収を行おうとしているのが、中国企業による日本企業買収の実情です。(これが、記事の「技術流出を懸念する見方もある」という部分です。)

さて、少し冷静になって考えれば、中国企業にとり、日本で生産するよりも自国(中国)で生産する方が、生産コストが安くなる以上、日本の製造業を買収した後、日本で日本人従業員の雇用を続け生産することは製造コストが高くなるため、中国企業にとっては合理的ではありません。日本の技術を中国へ移転し、日本の工場を閉鎖した方が、中国企業にとっては合理的です。従って、中国企業が日本企業を買収した後、そのような行動をとると、M&Aの交渉過程で日本側では想定する必要があります。

バブル景気にわく外国企業に買収された企業が、その国のバブルが崩壊すれば、どうなるか。過去の事例から想定すべきです。わが国のバブル経済が崩壊した後、わが国の企業が、バブル期に買収した外国企業や資産をどのようにしたか。今回、同じことが繰り返されても不思議はありません。

また、中国人の「会社観」と日本人の「会社観」は全く違うものであることも知っておくことは有効です。個人的には、中国人の会社観はアメリカ人の会社観に近いと感じています。会社売却の検討の際に、M&A後の従業員の雇用が守れるか。技術流失を防ぐことができるか。最も重要な論点です。

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