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日本企業、韓国へ「脱出」に感じたこと 

日本経済新聞が気になる記事を掲載していました。日本企業、韓国へ「脱出」というタイトルで、我が国の企業が技術的に優位にあると言われている炭素繊維、石油化学など産業が、なんと韓国に生産拠点の移動を行い始めたという内容です。

 韓国に日本から生産拠点を移す理由は、移転の理由として、韓国の産業用電力は日本と比べ料金が4割程度。法人税の実効税率も日本の約40%に対し24%。製造業のワーカー(工員)の賃金も日本の4割程度。工業用地や電話やインターネットなどの通信費、産業用水道料金も軒並み安い。就職難で、優秀な若い人材を採用しやすい。月には欧州とFTAが発効。米国とも政府間では合意済み。などが挙げられています。

 我が国の政府が取るべき政策をすべて先手を取られていると言っても過言ではありません。記事でも触れていますが、技術流出の懸念や強力な労働組合、歴史問題に起因する日韓関係(テレビで報じられる日の丸に火をつけ燃やす行為。我が国の領土である竹島が韓国に実効支配されている点などでしょう)などの数多くのリスクがあります。

 私個人が以前、韓国企業による日本企業へのM&A過程のなかで、経験した事例を紹介します。

 私が独立する以前、あるM&A仲介会社勤務時に、韓国企業が日本の中小企業の買収を検討した時の事です。その事例では、韓国企業は日本企業と「基本合意書」を締結し、企業精査(デューディリジェンス)と称し、技術者をその日本企業に送り込んで、徹底的にノウハウを聞き出し、生産設備を調べ上げ、図面までコピーしました。その精査が終わり何が起きたか。基本合意書を無視し、最終契約の交渉をキャンセルし話を破棄しました。

 機密保持契約書も締結していましたが、その様な相手がどれだけ機密保持契約書を守ると思いますか。その中小企業は、相手が韓国にあるので、国際裁判を起こすにも費用対効果を考え、結局、泣き寝入りでした。

 この事例が全てではなりませんが、韓国企業による日本企業へのM&Aでは前述のような話が多いのも事実です。中には、稀に良好な関係で進むM&Aもあるかもしれませんが、20年M&Aのアドバイザーを行ってきた経験から言うと、小生はそのようなお話を聞いたことがありません。

 このような事例を数回経験しましたので、弊社では、お客様である日本企業にまず実話を話し、それでも進めたいのであれば、日本企業とその経営者がすべてのリスクと責任をとるという誓約のうえで、どうですか?と意向を伺います。これまで、いくつかの実例を聞いた上で、それでも進めたいという日本企業は出てきておりません。

 半導体や液晶と同じ失敗を再び繰り返すのかどうかは、時間を待たなければ判りません。しかし、これまで20年間M&Aの現場に立ち続けた経験から、単なる経済的条件だけでなく、対日感情、政治体制、法制、税制など総合的な判断が必要だと、再三、書いている理由はここにあります。

 進出すれば、そこの国の人々を雇用し、グループ会社の一員としてつきあって行くことになるからです。うまい話には裏があるとの格言もあります。経済的な条件が魅力的である裏に何があるのか。魅力的な話ほど、慎重に検討するべきだと思います。親日的な国で韓国のような条件を整えてくれる国が出てこないでしょうか。

日本経済新聞から転載

日本企業、韓国へ「脱出」 安い税金・FTA魅力 生産・開発拠点の移転相次ぐ

 日本企業が生産・開発拠点を韓国に設ける動きが相次いでいる。東レが炭素繊維の工場を着工したほか、JX日鉱日石エネルギーは石油化学製品の工場建設を決めた。日本中心で手掛けてきた素材生産をあえて移すのは、韓国政府が税制や自由貿易協定(FTA)などで企業に優しい投資環境を整えているからだ。物流や旅客で成功したハブ(拠点)化戦略が、生産面でも徐々に浸透しつつある。

 工業団地「ハイテク・バレー」の造成が進む韓国中部の亀尾市。「世界の中核拠点にする」。東レが6月に開いた炭素繊維工場の着工式で、日覚昭広社長の口からは早くも「次」の話が飛び出した。

 工場は2013年に稼働するが、将来の増産に向けて今回の5倍、東京ドーム約8個分の土地を追加取得する。炭素繊維のほか、電子材料などで13年から10年間、総額1兆3000億ウォン(約910億円)を投じるという。炭素繊維は日本勢が世界シェアの7割を握る「虎の子」で、日本中心で生産してきた。韓国に白羽の矢を立てたのは「電気代や労務費、税金などを勘案し世界一競争力がある工場が建設できると判断した」(日覚社長)ためだ。

 産業の最も川上に位置する石化製品でも同様の動きが広がる。

 JX日鉱日石エネルギーは韓国石油最大手のSKイノベーションと石化製品と潤滑油原料の合弁工場を建設する。総投資額は約1080億円。同社幹部は「韓国企業は意思決定が早く、政府支援も手厚い」と説く。

 日本勢の生産拠点の海外進出といえば中国や東南アジアが定番。ここにきて韓国が注目を集めるのは戦略的な誘致活動が背景にある。国内総生産(GDP)が日本の5分の1と小さい内需を補うため、アジアの「ハブ」となることを重視。物流や旅客で釜山港や仁川国際空港を整備してきたが、さらに「生産」のハブ化にもまい進している。

 例えば東日本大震災を機に不足する電力。韓国の産業用電力は日本と比べ料金が4割程度だ。法人税の実効税率も日本の約40%に対し24%と低い。製造業のワーカー(工員)の賃金も日本の4割程度にとどまる。工業用地や電話やインターネットなどの通信費、産業用水道料金も軒並み安い。高学歴社会でも就職難で、優秀な若い人材を採用しやすい。

 輸出拠点としても魅力を増している。7月には欧州とFTAが発効。米国とも政府間では合意済み。東レ幹部は「将来は欧米への輸出も視野に入る」と話す。

 サムスン電子など、グローバル市場で成長を続ける有力顧客の存在も大きい。

 半導体製造装置最大手の東京エレクトロンは約50億円を投じて技術者30~40人が常駐する研究所を12年3月に稼働。液晶パネル製造装置大手のアルバックも有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などの研究所を着工した。東京エレクトロンの竹中博司社長は「大規模に投資できる大手顧客のそばに拠点を構えることが装置メーカー生き残りの必須条件」と話す。

 ただ韓国に死角がないわけではない。技術流出の懸念や強力な労働組合、歴史問題に起因する日韓関係などだ。「産業空洞化に加担している」と企業に批判の目も向く。

 東レ本社には「半導体のように技術流出が起こる」などと指摘する電話が絶えない。「設備投資の半分は国内。日本で採算が合う高付加価値品を開発する努力をしている」と日覚社長は強調する。韓国では炭素繊維のなかでも航空機向けの最先端品は手掛けない。

 とはいえ、円高、高い法人税、労働規制、環境制約、FTAなどの遅れ、電力不足と「6重苦」を抱える日本。経営者は合理的に判断せざるを得ない。政府の不作為が続けば、“韓流”の勢いはさらに加速しそうだ。

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