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カントリーリスクは海外M&Aの最重要事項 

これまで何度も反日感情の強い国へ進出するリスキーな行為に警鐘を鳴らしてきましたが、この事件は想定の域を遥かに超えたものでした。

下記は産經新聞の記事ですが、この記事にも書かれている通り、協定上、賠償金を支払う義務は全くありません。韓国内の資産差し押さえがあっても影響は限定的といえるため、企業側にも『我慢』が求められる。と思います。

例えるならば、反社会勢力から因縁をつけられたので、これに応じて金員を支払うのと大差ない行為だと思います。すなわち、法律的に不要な要求でも恫喝されると金員を支払う。これでは社会的責任を放棄したと非難されかねません。

 ここでどの様に対応するのか、相手国も固唾をのんで見ている状況でしょう。

 数年前、このコラムで韓国進出を勧めるマスコミを批判しましたが、あの記事を信じて韓国に出て行った企業は、今どのような心境にあるでしょうか。

 今回は、金額の多寡ではなく日本側に賠償に応じた前例を作らせるのが目的でしょう。一度、前例を作り、賠償は終わってないと永遠に言われると思います。

 数年前、韓国のM&A業者数社から連絡が続き、日本企業を買収したいので紹介せよと言われましたが、激しいやり取りの応酬の末、すべて断りましたが、今となっては、適正な判断だったと自画自賛します。

 このような状況の国から、撤退を考えることも日本企業にとり重要な選択肢になるでしょう。

(産經新聞の記事)
新日鉄住金、韓国の戦時徴用訴訟で賠償の意向 敗訴確定時「無視できぬ」2013.8.18 08:56

 朝鮮半島の日本統治時代に日本で戦時徴用された韓国人4人が未払い賃金などの個人補償を求めた訴訟で、被告の新日鉄住金(旧日本製鉄、本社・東京)が計4億ウォン(約3500万円)の賠償を命じられた7月のソウル高裁判決を受け、敗訴判決が確定した場合には賠償に応じる意向であることが17日、同社への取材で分かった。元徴用工の賠償請求権問題については、日韓両政府とも昭和40年の日韓請求権協定で解決したとの立場を取っており、同社の判断は今後の同種訴訟や国内世論に影響を与えそうだ。

 新日鉄住金の訴訟をめぐっては、原告のうち2人が平成9年に日本で同様の訴訟を起こしたが、15年に敗訴が確定。韓国でも確定判決の効力を認め1、2審が請求を退けていたが、韓国最高裁が昨年5月、個人請求権を認め、審理を高裁に差し戻した。

 新日鉄住金側はソウル高裁判決を不服として上告したが、最高裁で判断が覆される可能性は低いとみられる。

 同社は、(1)判決確定前に和解する(2)確定判決に従う(3)判決確定後も支払いに応じない-との選択肢から今後の方策を検討。(1)では原告側が補償基金の設立を求めることも予測され、賠償の対象が立証の不十分な元徴用工にも拡大すると判断した。

 また、(3)の場合は、同社の韓国内の資産を差し押さえる強制執行が行われるとみられ、取引上の売掛債権などが対象にされる可能性を考慮。同社幹部は「取引先にまで影響が及ぶ可能性があり、確定判決を無視するのは困難」としている。

 戦時徴用をめぐっては、三菱重工業(東京)に対しても7月、釜山高裁が賠償を命じる判決を言い渡した。同様に上告の意向を明らかにしている同社は「和解の予定はない」とした上で、「上告審で主張が認められると信じているが、万一敗訴が確定した場合には外務省、経済産業省など各方面と協力し適切な対策をとっていく」としている。

「仮定の話できない」

外務省北東アジア課の話「『賠償の必要はない』という認識で国と企業は一致していると考えている。訴訟は係属中で、判決確定や資産差し押さえ後の対応について、仮定の話はできない」

支払い義務ない

 現代史家の秦郁彦(はた・いくひこ)氏の話「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、韓国内での問題解決を迫るべきだ。進出企業への影響など配慮すべき点もあるが、痛みを伴わずに問題を解決させる妙案はない。現状では日本企業側が命じられた賠償は高額でなく、韓国内の資産差し押さえがあっても影響は限定的といえるため、企業側にも『我慢』が求められる。個人請求権をなし崩しに認めてしまえば同様に請求権放棄が確認されている中国でも問題が再燃しかねない」
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